ジャストフィットな袖丈寸法のジャケットを考えてみる

ジャケットの袖丈寸法は好みの分かれるところで、海外の名前のあるフィッターなどでも日本の某有名老舗仕立て服店に出張採寸などの企画で採寸するときには、袖丈だけは客の好みを聞く・・という話を聞きます。
書籍となっている採寸のマニュアルは、昭和の3、40年代以降出版されていないと思いますが、当時の本には「直立にたった状態で、まっすぐ親指を伸ばし、袖先から親指までの寸法が9cm~12cmの間で、客の好みを聞く」とあります。いまの袖丈は長めが好まれるので、実情には合わないと思いますが、自分の好みの袖丈寸法を知る上で、この見方は重要です。
既製服は当たり前ですが、袖丈は左右対称、同じ寸法にできているので、人の体型は千差万別、よく見ると左右びっこの袖丈の人がたくさんいます。袖先から右手は大きく出ているが、左手は比べると多く隠れているというのは、袖丈寸法が同じ場合、右手が長く、左手が少し短いということになります。。この手の長さの違いは、肩下がりによることもありますし、利き腕のほうが長いのが一般的で、野球のピッチャーなどは左右の差が大きいらしいですよ^^自分も骨折したことがあるので、そっちのほうが短かいため、オーダーするときには差寸を考えて作ります。
仕上がったジャケットの袖丈の調整というのは、案外難しく、袖の作り方にもよるのですが、「本開き」となっているような形のものは、袖先が「額縁仕立て」となっており、また釦穴も開いているので、簡単には調整することができません。袖裾口の標準仕様、「開きみせ」の調整は、袖先で伸縮可(伸ばすのは1cm程度)、「袖本開き」など特殊な袖裾口の形も、「アームホール・袖刳り」で、詰めることのみ調整させていただくことが可能です。。

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