靴ずれで仕立てたスーツの生地銘柄がわかる

縫製工場やオーダースーツの店舗でスーツをお仕立てする前の段階では、寸法帳と生地は間違って縫製されてしまわないように一緒に束ねられ、裁断に回されることになります。。生地にはそれぞれ生地番号は付いているので、慣れてくれば「この生地番号ならどこの問屋から仕入れたもの」「舶来のバンチブックにのっている生地の番号」など、素材の種類やある程度の製造年までわかってしまうのですが、仕立てあがってしまったスーツからはこの生地番号がわからないため、一般的には「生地の耳」と言われるものを、裁断時の縫製パーツの置き方から、パンツの脇ポケットの内側や、パンツ裾の内側の靴ずれ部分に残すようにしています。。
この生地の耳は、よく「made in England」とか「New WooL 100%」や、ゼニア、ダンヒルなど生地のブランド名をそのまま記されているもので、大量生産的に織られる織物にはない、オーダースーツで使用されることの多い上質な銘柄の証です^^(コットンスーツリネン・麻スーツなど天然素材の生地には入らない場合があります。)
パンツ裾の内側にある靴ずれは、見やすい場所ですので、一度お手持ちスーツでお確かめいただくと良いと思いますよ。。この靴ずれは、靴のかかとと摩擦することで消耗が激しくなりがちな、パンツ裾の後ろ・内側に補強のために付けられた布のことで、1cm×15cm程度の長方形の形をしています。スーツ屋が、共生地の必要な補修のご依頼をいただいたときに、まず見て生地の銘柄などを推測する部分です。。たまに、ちょうど文字が見えるように生地の耳が入っていないような時もあり、苦労するところでもあります^^

オーダースーツ Pitty Savile Row
http://www.order-suits.com/