ジャケットのバックスタイル

ジャケットのバックスタイルは自分では見えないところ。ビジネス用のスーツでバックスタイルと言えば広くは、センターベント、サイドベンツなどまで含むのだと思いますが、せいぜいが総ステッチの時に、背縫い線(センターシーム)やベントに入るステッチや、アイビー調のジャケットの時に伏せ縫いとした後のミシン目ぐらいかも知れません。
春夏ならコットンジャケットやリネンジャケット、秋冬ならハリツイードジャケットフラノジャケットコーデュロイジャケットなど、素材をカジュアル、カントリー調の服地に求めれば、ジャケットのバックスタイルのバリエーションは、「バックトリートメント」「ファンシーバック」などと言われる、主には運動機能を向上させる目的でデザインされたスポーティーなジャケットのディテールが装飾として現在まで残されているものを幾つかあげることができます。
ジャケットの背縫い線や肩から脇にかけて入る箱ヒダとなるアクションプリーツ、ウエスト調節のためのベルトが、装飾として背部分のみに脇縫いに差し込まれる形で縫い付けられるハーフベルト(背バンド)、背部分に切り替えを入れて仕立てるヨークには、ホタテ貝をモチーフとしたスカラップヨークや、直線となるストレートヨーク、湾曲したアーチ型ヨークなど。また、通常背縫い線で2枚の布地を縫い合わせる背部分を1枚仕立てで作るワンピースバックというのもあります。これら、スポーティーなジャケットに見られるバックスタイルは、19世紀後半に主に狩猟用などに着用されていたノーフォークジャケットのデザインにほぼ一致します。

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