ジャケットに付けるハッキング・ポケット、スラント・ポケット

ハッキング・ポケットスラント・ポケットもどちらもジャケットなどに斜めに付けられるポケットのこと。ハッキング・ポケットはハッキングが<乗用馬の>という意味から乗馬用に使われるハッキング・ジャケットに付けられるもので雨ふた付きのもの。実物はあまり目にすることのなく、Pitty Savile Rowでもいままでご注文いただいたことのないハッキング・ジャケットですが、全体にタイトめで裾からはフレアしたシルエットをしています。ベントはこの乗馬用に着るジャケットの動きやすさのために付けられたのが初めということなので、もちろんベント付き。ジャケットの前から後ろに向けて斜めに下がっているのは、手が入りやすいための着用者からの機能的な要請かも知れません。。
スラント・ポケットのスラントは<斜め>という意味をもつ言葉なため、そのまま「斜めポケット」の総称となります。ハッキング・ポケットが斜め雨蓋付きポケットなのに対して、ポケットの切り口、付け方が斜めのもの全般。ほとんど同じように使われている斜めの形状をしたポケットの名前ですが、単純に広い意味で「斜めポケット」というなら、このスラント・ポケットが正解のようですね。。また、オブリーク・ポケットも「斜めポケット」のことなので、ちょっと知っておくとかっこ良いです^^
このスラント・ポケットですが、フタ付きとなる場合には通常長方形のフタ形状が、平行四辺形のようになり、また若干角に丸みのあるフタを「角フタ」とすることができるなど、思ったよりも使えそう。。後ろ端に向けて下げる角度は、基本的には2段階調整で、前端~後端まで3cm若しくは6cm。下げる角度が急になればフタ形状も激しく変化します。。ビスポーク仕立てなら、上記下げ幅よりも細かいピッチの角度調整も対応可。以前いただいたご注文には、後端~前端に向けて下がる(スラントとは逆に後ろに向けて上がる)ポケットの形もありました^^

オーダースーツ Pitty Savile Row
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