ナンパなツルモク独身寮的ドレープ感ジャケット

20年前当時、洋服屋になりたての頃には、ドレープ感というのはとても便利な言葉で、どこのスーツ屋さんでも、「この独特のドレープ感がいいんです・・」などと商品をご案内する営業用語としては必須だったような気がします^^ドレープ感というと聞きなれない人もいるかも知れませんが、「洋服のたるみ感のこと」バブル期にはビッグルックでオーバーサイズなソフトスーツというものが好んで着られていたので、パンツなどもタックが2タックパンツが当たり前、オーダースーツならではの3タックや箱ヒダタックなどという必然、太めになるシルエット。おとなしくしていればゆったり優雅に弧を描くようなたるみ感、強い風が吹けば、ひどくバタバタする、それがドレープ感です^^
この頃個人的に好きだったのが、「ツルモク独身寮」という漫画で、18歳で田舎から上京し「ツルモク家具」という家具の製造工場に就職する若者を主人公に繰り広げられる、青春ストーリー的な展開をするもの。確か、高知の田舎から上京する、という設定がなんとなくいろいろ期待と不安に気持ちが揺らぐ桜のシーズンと自分のリアルな時期とが重なっていましたので、強く心に残る漫画の1作ですね^^
こないだ、といっても数年前ですが、既に古本屋に売ってしまって手元になかったこの「ツルモク独身寮」を、古本屋で見つけ全巻大人買い。ちょうどはやっていたいきものがかりの[SAKURA]はまったく哀愁を誘い、わけもなく感じるシミジミ感にひたってしまいました^^
この頃のカジュアル服のお気に入りは、濃紺の麻のシワ加工ジャケット、アンコン仕立てというもので、胴裏も袖裏さえもついていないダブダブのオーバーサイズジャケットに、パンツはタイトなハーフパンツ。ジャケットのゆったり感と、タイトなパンツのアンバランスな感じを、すこしごっつめの靴と良い子ぶったソックスで調整。

オーダースーツ Pitty Savile Row
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