モヘアの混紡率で考える春夏スーツ

モヘアが春夏用のオーダースーツ素材として、見た目は高級感があり、快適な着心地を与えてくれる素材だということは多くの人に知られていることだと思いますが、同じモヘア混の素材でもその混紡率などを見てみるとさまざま。混紡率の違いによって生地の風合いも若干異なるものになります。。
モヘアは、アンゴラ山羊から作られる夏素材。代表的な平織りの梳毛地で、原産国トルコのほかアメリカ・テキサス州、南アフリカが主産地。現在ではモヘア素材とされるものは、アンゴラ山羊から産するものばかりでなくアンゴラ兎の毛のほか、繊維の太さ・光沢感など類似のものも含めてモヘアと呼ばれることが多くなっています。涼しげな金属的な光沢感、強い腰のある素材のため、春夏の薄物素材には最適とされています。。
このモヘア素材をビジネススーツには必須のウール素材と混紡するのには意味があり、お互いの長所短所を補い合わせるため。モヘアは、高い通気・吸湿性と強い腰・ハリ、そのために若干生地のしなやかさに欠けるというところがあり、ウールは湿気を含むとシワになりやすいが、生地をしなやかに保つという点でモヘアを補います。。モヘア、ウールにはこれら特徴的な性質を生かすために混紡されるものになるため、着る時期やご着用目的によってその混紡率を見るのはなかなか大事。。見た目でも、モヘアのほうがウール素材よりも繊維が太いため、織りの粗いざっくりとした風合い。Pitty Savile Rowで掲載させていただいておりますモヘア混素材でも、10%程度では若干織り目も粗い程度、3~40%程度では明らかにモヘアの繊維の太さも目立ちます。盛夏用とするならモヘアの混紡率は多め、春夏兼用とするならモヘアの混紡率は10~20%程度までが目安。秋口までご着用になるご予定なら、モヘアが混紡されたものは避けたほうが良いと思います。。

オーダースーツ Pitty Savile Row
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