マオカラーのジャケット

マオカラーはスタンドカラー(立ち衿)の一種で、上下揃いのスーツで着用されるよりカジュアルっぽい素材で仕立てられたオッドジャケットとして着られることが多いような気がします。その昔よく中国マフィアや香港マフィアのボスが着ていたイメージの頃には、スープとスプーンのような感じで、マオ・カラー(マカオ・カラー)と勘違いしていたかわいい店長です。
このマオカラーは、1960年後半中国の国家主席だった毛沢東(マオ・ツォートン)が着ていたことで有名になったものですが、それ以前、中国では清朝の時代から高級官吏(マンダリン)が着ていたマンダリン・カラー、チャイニーズ・カラーというものがあり、その衿型をしたジャケットを毛沢東が着ていたもの。人民服もこんな衿型をしています。
オーダースーツなどただいまの服飾関連では、このマオカラーのような立ち衿をしたジャケットをマオカラー・ジャケットと言っていますが、ほぼ同様の形・シルエットをしたものに同時代インドで首相をしていたネール氏が着ていたジャケットの形にちなむネール・ジャケットというものがあります。このネールジャケットはどちらかといえば、民族衣装的なイメージが強く、ファッションからは取り残されてしまった感じですが、マオカラー・ジャケットと形の違いというのは、ほとんどないような気がします。。
ネールジャケットは、1960年代にアメリカの雑誌社が取り上げたことで普及したもの。もとは、インドの王侯(マハラジャ)が着ていたラジャー・ジャケットに由来するもので、サンプル絵などで見るものは、マハラジャだけあった金ピカなものが多いですね。。全体的には細身で作られているものになります。。
マオカラー・ジャケットは首元までくる釦位置のため、釦数も多く4釦3掛や5釦4掛のシングルジャケット。変わり型ジャケットとして、ノーネクタイで自然に着れて、タテの線がすっきり見える、時代を問わずに気になるデザイン。

オーダースーツ Pitty Savile Row
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